ドローンを始めるとき、最初の難関は自分で電気配線を理解して、ハンダ付けを確実に行うことです。
初めてのひとは、電子基板や電気配線をハンダを使って組み立てていく作業は、ほぼ確実にできないと思います。
3機体ほど、全部組んだり、組み立てなおしたりする経験を経て、やっと理解できる技術です。スズと鉛の合金の色ハンダを10メートルぐらい使って経験したので、私なりに実践してきたノウハウをまとめておきます。
みな、なんとなくやってますが、ひと手間や200%の信頼性をハンダで実現するには、やはり1から10まで勉強したほうがいいと思います。
個別の内容、詳細は別ページのリンクで解説していくので、ここでは必要最小限だけ解説します。
以上は、一番最初に全部そろえてください。何一つ欠けてもハンダの作業はできないと思ってよいです。
予算は全部で1万円以下に抑えたいところですが、よいものは高いので、最初から良いものを買うのもありだと思います。
アマゾンならよくわからない細かな工具などもついて、3000円以下でそろいそうです。
(上級者からみれば、最初化から良いの買っといたほうが、後悔しないのかもしれません)
ちなみに、文句ない有名ブランドの半田ごては、1個で3000円以上するので、紹介しておきます。
ドローン仲間で、こういうちゃんとした道具でやってるひとは数パーセント以下だと思います。
ただし、レーシングドローンの実用性から考えると格安品だけでも十分使えます。
いずれ、よい道具がほしくなりますから、最初から世界一の日本メーカーのHAKKOブランドでそろえてもよいと思います。
いい道具でいい仕事ができるのは当たりまえです。
いま、探してみると、下のハンダステーション的なものが格安で売っていますね。
それぞれは、格安品ですが、ワンランク上のステーション的な雰囲気もあり、実用メリットもありそうです。
これで約3600円なら、1個買っておいても損はないと思います。机の整理整頓もばっちりです。
(ちなみに、本格的なステーションだと中華格安品でも1万円程度します。日本製なら数万円。)
※壊れたら、イイものに買い替えましょう。
写真は、アマゾンで買えるHAKKO(白光)の良いものです。
糸ハンダは、スズと鉛の合金で、一部オーディオ関係で銀などが微量に入っているものもあります。
合金比率は低温、高温用に種類がありますが、一般用、ラジコン用として売られているもので良いです。
低温で溶け作業性が良いです。
また、高温用は、一般の小手では温度が足りないので注意を。
ハンダの台は、セット品が格安ですが、問題は土台が小さくて軽すぎて、高温の半田ごてが使用中に倒れて、やけどや火事の原因となることです。
最初これを買って使っていましたが、本当にぐらぐらで倒れたりしやすいので、作業には気を使います。気が付いたら倒れて、机を焦したこともあります。600円ぐらいでしたが、ダメですね。
土台が重く鉄っぽいシッカリしたのが良いと思います。
絶対これがいいと思います。
私は3本アーム仕様のものをつかっています。
アームが長いと、作業中、目の前で部品を見ることができるので、手元と顔が近付けられるメリットがあります。
ハンダコテ先クリーニングマットはこれが使いやすいです。
初めてのひとは、わからないと思いますが、コテ先は400度近い高温になると、表面が酸化して黒くなり、ハンダ合金が溶けない、付かない状態になるので、頻繁にゴシゴシして表面を銀色または同色のフレッシュな金属を露出させる必要があります。
クリーニングしないと、くっ付いたように見えたハンダがポロリとはずれ、ドローンが墜落して大破、またはオサラバとなります。
半田作業用の耐熱マットは、シリコンゴムシートで、高温の半田でも溶けません。机を焦がしたりしないように、絶対に使用したほうが良いです。マットの上部にトレイのような部分がたくさんありますが、これは磁石になっていて、ネジやナットをくっつけて、転がってなくさないようになっています。
さがせば、1000-3000円ぐらいであると思います。
写真の拡大鏡眼鏡は、老眼のレンズが弱から最強まで取り換えできるのと、LEDライトの照明が当たるという超便利な眼鏡です。1600円ならお買い得ですね。
半田の接合部分を正確に見る目が必要ですが、絶対に肉眼では無理です。
以前、フライトコントローラーが動作不良でどうやっても、ダメだったのを、超拡大鏡の老眼眼鏡を買って、半田周辺を除いてみたら、関係のないところに、ハンダが飛び散っていて、配線がショートしていました。幸い、壊れてなかったです。
特に、40歳を超えたひとは、老眼で50センチ以内には商店が合いません。
結局、3センチぐらい近づいて、目の焦点を合わせる必要があるので、虫眼鏡ではだめでした。
実際のハンダの手順をごく簡単に紹介すると、
以上が、標準レベルの作業手順です。
フラックスの将来腐食を防ぐためにアルコールでふき取るという正式なやり方もあります。実際は不必要です。
また、レーシングドローンの機体製作のための耐久性を上げる、トラブルを回避するなどノウハウとしては、さらにいくつか必須ノウハウがありますが、こちらで個別に解説します。
飛行現場で、配線が外れたり、不良配線をハンダ修理するパイロットは多いと思います。
そういうひとは、リポバッテリーで使える半田ごてを使っているとおもいます。
わざわざ、それを購入して現場で修理する必要はないとおもいますのですが、機体1機しかないひとは、現場で何とか修理したいと思うかもしれません。
私は、必ず、現場でトラブルが起きたら、原因解明して、周辺の異常を全部確認してから、飛ばすようにするので、現場では修理作業はしません。
電気的な不良で壊れた場合、機体は状態をメモして、完全な状態の予備機と交換します。
壊れた原因に対して、壊れない対策を徹底的に考えるほうが成長発展につながると思います。
全バラして、フレームやネジ回り、バッテリーの傷や変形、モーターの軸ブレなども全部チェックします。
基盤がショートしたり、部品が異常な状態で、適当な配線で復旧しても、重大なトラブルや事故につながるリスクがあるからです。
半田がくっつかない事例はたくさんあり、道具のせいなのか、技量のせいなのか、原因のヒントを紹介していきます。